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  島とうがらし
島とうがらし

島とうがらしはどんな植物?

まずはご覧下さい。


島とうがらしの木化
島とうがらし

成長するとこんな感じに
木の様になります。

 

唐辛子なのに木みたいでしょ?
島とうがらしは沖縄の唐辛子で、キダチ(木立)トウガラシともいい、成長すると木化して木の様になるんです。(正確には「キダチトウガラシ」は唐辛子の属名で、同じ属の唐辛子が他にもあります。)

唐辛子は本来、多年草ですが寒さに弱く、日本では収穫時に抜いてしまう一年草の扱いです。
暖かい沖縄では島とうがらしを庭木として育てている方もいるそうです。 私も鉢植えで何年も育てています。

 

島とうがらしの葉

島唐辛子は常緑で、葉の色は綺麗な緑色です。調子が悪いと色が抜けたような黄緑色になります。

 

島とうがらしの葉
島とうがらしの葉

綺麗な緑色です。
そんなに大きくありません。

 

島とうがらしの実と種

出来た実は見かけは小さくてかわいいのに、辛さは一般的なとうがらし(鷹の爪)よりずっと辛いです。
実自体を指で摘まむ程度は問題ありませんが(ぐりぐりしないでね。)加工する時は手袋をするなど注意して下さい。

 

島とうがらしの実
島とうがらしの実

かわいいでしょ。
普通の唐辛子の
半分ぐらいの大きさです。

 

収穫した実は、乾燥または冷凍することで長期間保存できます。
生の実を保存容器に入れて冷凍しておくと料理に便利です。冷凍することで手で折っても辛味成分が飛散しなくなるので、ペペロンチーノなどを作る時にさっと折って使えますよ。

沖縄の有名な調味料「コーレグースー(コーレーグス)」は、島とうがらしと泡盛(米から作られる沖縄の焼酎)から作られます。
基本的な作り方は簡単。泡盛に島唐辛子を入れて1~3か月ぐらい漬け込むだけです。(一つまみの塩を加えると本格的。)
皆さんも自分で育ててコーレグースを作ってみてはどうでしょう。

もちろん、種を保存して次の年に蒔くこともできます。
実を乾燥させてから取り出した方が汁が飛ばないので簡単です。

 

島とうがらしの種
島とうがらしの種

一つの実に10個ぐらいは
入っていますね。

 

 

島とうがらしの価格

苗は、春先に園芸店やホームセンターで1株、100円~250円ぐらいで見かけます。
種は一袋、200円~400円ぐらいで入手可能です。
もちろん、種も苗もネットでの入手も可能です。(値段的に送料考えるとかなり割高ですが。)

家庭菜園では数本あれば十分なので、苗から育てることをお勧めします。
苗の場合、既にある程度育っているので、丈夫で初心者にも育てやすいです。種は苗が入手できなかった場合に使うといいと思います。

 

島とうがらしの育て方

育て方は一般的なトウガラシと同じです。丈夫で虫や病気にも強く、あまり手もかかりません。

畑(地植え)でも、鉢植えでも育てられます。

苗の場合は、春先辺りから店頭に並びます。売ってる時期は育成適温ですので、すぐに植えてしまって問題ありません。 (ただし、遅霜には注意して下さい。)

種からの場合は、発芽温度が高めなので、春先(3月下旬から4月)に、いくつか小型のビニールポットに蒔いて、暖かく陽当りの良い室内で管理するのをお勧めします。成長が促進され、5~6月ぐらいには植えるのに十分な大きさになります。  

日なたが好きなので、外のなるべく陽当たりと風通しの良い場所で育ててあげて下さい。夏の直射日光も問題ありません。

島とうがらしの植え方>
植える土は、一般的な果樹用の培養土と赤玉土で問題ありません。(植木鉢で育てる場合)
植え方はこちらを参考にして下さい。

島とうがらしの育成温度>
トウガラシは一年で収穫できるため、日本では一年草の扱いです。日本全国で収穫することができますが、耐寒性が弱く、通常は収穫時に引っこ抜きます。

ただし、トウガラシ自体は種類により多年草または木の扱いなので、防寒対策をすれば、越年育成が可能です。島とうがらしを越冬して育ててみたい方は、下部の「育成ノート」の「島とうがらしの越冬と通年育成について」のリンクもご覧下さい。

私の環境(関東)の場合、11月頃に室内に入れ、5月頃に外に出す感じで育ててますが良好です。
(夜の最低気温が15度を上回るぐらいから室外を目安にしています。)

島とうがらしの日常の管理(鉢植えの場合)>
水は土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水が鉢底から抜けるぐらいあげて下さい。
唐辛子全般、土の表面から浅い所にたくさん根を張ります。夏場は水の消費がとても早く、乾燥しやすいので水切れに注意して下さい。

肥料は3か月おきに醗酵油粕の固形粒を規定量与えています。
それで元気に育ってくれています。

日なたが好きなので、外のなるべく陽当たりと風通しの良い場所に置いてあげて下さい。夏の直射日光も問題ありません。
光が一方向から当たりやすい場所で育てる場合は、特定の方向にばかり枝が伸びないように定期的に鉢を回してあげましょう。樹形に癖がつきにくくなります。

室内で越冬する際は、冷気に当たらないように、光の当たる範囲で窓際から少し離して育てて下さい。
室内環境で育てる際は、植物にクーラーやヒーターなどの風が直接当たらないようにして下さい。(植物全般に言えることですが。)

剪定は必要ありませんが、葉が込み入った場合は軽く切って陽当り、風通しをよくしてあげましょう。

害虫はアブラムシやカイガラムシが付く場合があるようですが、私の場合は今までついたことないです。見つけた場合は増える前に速やかに駆除して下さい。

 

島とうがらしの収穫

一本でも結実します。人工授粉は必要ありません。

関東では春に植えた苗は、7月初旬頃から花が咲き始め、8月中旬から10月頃が収穫になります。植える時期や気候によって変わりますが、開花から大体1~2か月程度で収穫できます。

実が赤くなれば収穫時期です。
赤くなった実を指でつまんで倒せばポロリと軸から取れます。軸ごとハサミで切っても構いません。

注意:
収穫時は実の辛い汁に注意して下さい。
実を軽くつまんだぐらいじゃ辛さは付きませんが、何本も収穫するとなんだかんだ辛味が少し手に移ります。実が裂けて汁が飛んだり、潰れて沁み出す可能性があるので、お子さんに収穫させるのは危険です。
また収穫後はよく手を洗って下さい。汁が付いた手で目をこすったりすると、それはもうひどい目に合いますよ。
心配な方は使い捨てのキッチン手袋などを活用して収穫して下さい。

 

島とうがらしの花
島とうがらしの花

白くて小さなかわいい花です。
(反対向きですみません。。。)

 

収穫した生の島とうがらし
収穫した生の島とうがらし

色付いたものから、少しづつ何回も収穫しています。

 

 

島とうがらしの育成ノート

私の育てている島とうがらし」はいつから育てているかは正確ではないんですが、収穫の写真で2014年に撮ったものがあるので、少なくとも5年ぐらいは経っています。

 

育てている島とうがらし
育てている島とうがらし

たくさんの実が生りました。
今年は8月下旬から収穫中です。

 

今はこんな感じです。高さ80センチぐらいでしょうか。なんだかんだ結構切り戻してるのであまり大きくないですね。
唐辛子は色々な品種を育てましたが(育成例はこちら)、総じてどれも丈夫で手間がかからないです。

私がなぜ島とうがらしを育てようかと思ったかと言うと、自分で「コーレグースー(コーレーグス)」を作るためです。

 

自作のコーレーグースー
自作のコーレグースー

島とうがらしと泡盛で作った正統派の物から
黄唐辛子(黄金唐辛子)やハバネロと
麦焼酎、芋焼酎などで作った
なんちゃってグースーも。

 

コーレグースーは沖縄の調味料で、島とうがらしを泡盛(沖縄の焼酎)に漬け込んだ液体です。
料理に少し垂らすことで、手軽に辛い旨味を加えることができます。カレーやうどん、野菜炒めなどいろいろなものに合うんですよ。(でも、主成分はお酒なんでお子さんには注意。炒め物などで加熱してアルコールを飛ばして下さい。)

沖縄産のコーレグースーを購入してカレーに使ってみたのですが、とても美味しかったんです。ただ、小さいビンですぐ無くなってしまう上に結構する。
調べてみると、基本的な作り方は簡単。本格的な物かどうかは別として、唐辛子と焼酎があれば似たようなのが作れそうだなと。 だったら自分で作ってみようと。

でもどうせ作るなら、最初はやっぱり島とうがらしと泡盛で作ろうと。いっそ、島とうがらしの栽培からやってみようと思った訳です。関東では島とうがらしは入手しづらいですしね。泡盛はスーパーで売ってます。

私は苗は入手できなかったんで、種から育てました。元気に育って、収穫も自分用に使うには十分な量が採れました。
で、収穫が終わって、そのまま枯らすはずだったんですが、なんか愛着が湧いてしまってそのまま育て続けることにしました。それに見てみたいと思いません?唐辛子がどんな木になるのか。

でも、寒さに弱いのでそのまま外じゃ冬に枯れてしまいます。
さすがに室内で加温までして育てる気はなかったので、ダメ元で室内で無加温で育ててみることにしました。

幸い当時住んでいたのが保温性の高い北欧製の輸入アパート(不動産屋がそう言ってた(笑))だったこともあり、枝の切り戻しや簡単な保温対策をすることで越冬できました。
(島唐辛子の越年育成に興味がある方は文末のリンクからどうぞ。)

この島唐辛子は何年か育てた段階で、幹も太くなって耐寒性も上がり、冬場は室内に入れておくだけで切り戻しをしなくても平気になりました。

ただ、切り戻ししないと春までに葉の色が抜けて、なんか弱々しくなってしまうんですよね。
かと言って、そのまま葉も落ちずに普通に結実するんですが、葉の色はずっと戻らない。。。結局、冬に切り戻しをしました。
ここら辺は株の成長によって耐寒性が上がれば、変わってくるのかもしれません。

収穫時期は年によってなんかバラバラですね。春と夏に採れたり、秋だけだったり。
これは切り戻しが関係してるのかもしれません。もしかしたら成長すると四季咲き性とかがあって温度があれば花が咲くのかもしれません。分からないことも多く様子を見て行きたいと思います。

収量は安定的に毎年200本以上は採れてると思います。(ちゃんと数えたことは無いですが。)これで毎年コーレーグースー用(500mlの焼酎1本、2本分)と料理用の冷凍分がまかなえてます。

それから、引っ越してから10Lから30Lの大鉢に植え替えました。
でも。私が新しい生活環境に不慣れだったせいもあり、植え替えてからいろいろ調子を崩してしまいました。今年の春になってやっと調子もよくなって、植え替えの効果が出てきたのか横への広がりがしっかりしています。

今後は収量を上げる点からも、あまり切り戻しをしないで大きく、木のように育てたいと思っています。そうなればまたいろいろ分かると思います。

さて、どれぐらい大きな木になるのかな?
楽しみです。

(島とうがらしの越冬と通年育成について:興味がある方はこちらをご覧下さい。)

 

2019/8


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