昨年から今年にかけての冬は、日当たりのいい東南角の小部屋を簡易温室にして夜に軽く加温をしてみました。
結果、低温に弱い植物もいい結果出ましたので、今年はいろいろと耐寒性弱めの植物も育てる予定です。
その第一弾は「コーヒーの木」です。
コーヒーの木は大昔(中学生とか高校生ぐらい)に人に貰って(小さい観葉植物とか誕生日プレゼントとかで貰いません?)2回ほど育てたことがあるのですが、その時は特に知識も無く、冬に枯らしてしまいました。部屋に入れてれば大丈夫だと思ってましたが、全然ダメでしたね。
私はコーヒーが好きで、毎日3回ぐらい飲んでます。
(でもコーヒーの味にうるさい訳じゃないです。有名メーカー製の安いレギュラーコーヒーをペーパーで淹れて飲んでます。銘柄とかそんな詳しくありませんし、コーヒー店の高いのもほとんど飲みません(汗))
昔、コーヒーの実は食べても美味しいと聞いてから、いつか自分で栽培した実を食べたい。その実を使ってコーヒー作ったら最高だろうなって思ってました。
そんな訳で、その後いろいろ調べて、いつか育ててみたいと思っていたのですが・・・。
よく聞くのは「コーヒーの木は丈夫で、育てるのは難しくない。」と言う話。
ええー、冗談でショー。まず冬の「最低育成温度5度」の段階で難しいでショー。
大苗ならまだしも、小苗は防寒対策必須でショー。樹形も大葉ひょろひょろ系(笑)なので風にも弱いでショー。夏の直射日光にも弱いでショー。
私の基準じゃ難易度高いです。人の基準は難しい。。。
冬の室温は収穫狙うなら10度程度は欲しい。
でもこれって関東の一般住宅では加温しないと厳しいですよね。気密性の高い陽当りの良いマンションとかなら可能かもしれませんが、一般的な戸建てやアパートでは難しい。例え無加温で越冬できたとしても、木にダメージアリアリ状態でしょうから収穫なんか到底期待できない・・・と思ってました。
でも、今回温室を作ることで一番のハードルだった「最低温度」に目途がついたので再挑戦することにしました。
コーヒーの小苗って見たことありますか?
小さなポットに2~3本ぐらいの細い幹がひょろひょろっと伸びてるヤツです。特に興味のない方も、気が付かないうちに見たことあるんじゃないでしょうか?(観葉植物は興味ない人から見ればみんな似てるかもしれませんけど。(汗))
一般的にコーヒーの小苗って、時期が合えばいろいろな所で結構安く売ってます。品種を選ばなければ入手しやすいです。
価格は大きさにより100円~1000円ぐらい。(品種によって何千円もするのもありますが。)
100均でも売ってる時ありますし、観葉植物としてインテリアにも良いので雑貨系のお店でも見かけます。そういったものの場合、大抵品種は不明ですが、多くはアラビカ種の物の様です。
コーヒーには大きくアラビカ種とロブスタ種と言う人気品種があり、(リベリカ種というのもある。)さらにこれらの品種から派生した多くの改良品種があります。
コーヒー豆はアラビカ種の流通が多くを占め、味が良いのが特徴です。有名なブルーマウンテンやキリマンジャロなど呼ばれるものはアラビカ種の銘柄(産地ブランド)です。
私は品種にこだわって、今回アラビカ種の「リサ」と言う品種を購入しました。
選んだ理由は、比較的小型に育つと言う事と、やっぱ名前でしょう。リサ、もう名前だけで素敵な品種確定!(こんなのばっか(笑))2000円ぐらいの小苗で、ひょろひょろと3本ぐらい伸びてました。
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コーヒーの木の苗
15センチぐらい。
これはほぐして植え替えた後です。
購入直後は、同じぐらいのサイズの苗が
3つ、小さな簡易ポットに植わってました。
(写真撮るクセ付けないと(汗)) |
この小苗のひょろひょろと伸びてるの、実は一本一本、別の木なんですよ。つまり、種を何個か植えてるんですね。私は昔、これは地下で一本につながってるだと思ってました。密集させすぎでしょー、紛らわしいー。(あ、これは品種物だから挿し木かも?コーヒーの種は多胚らしいので種で増やしてる?)
だから、小苗を一つ買うと、もれなく3本ぐらい手に入る訳です。花とかの一年草の苗ならまだしも、大きく育つ果樹の苗じゃ持て余しますよね。
今回買った苗も3本生えてた訳で3本。欲しいのは1本だけだったんだけどなあ。
残りのをどうするかは後で考えるとして、とりあえずばらして一本植えましょう。
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植えたコーヒーの木の苗
リサ・アラビカと言う品種です。
一番元気なのを一本植えました。 |
はい、一番成長が良い真ん中のを、30Lの大鉢に植えました。広いねー。
よく植物の成長に合わせて鉢の大きさを植え替えると、根のしまりが密になって良いと言われますが、私は考えるとこあって最初から大鉢(笑)
さて、残りの2本どうするかな・・・。
とりあえず、本命がうまく成長しなかった時のためにしばらく育てることにしました。
5月に入り、外の最低気温が15度近くになってきました。丁度いいので、この苗を使ってやってみたかった実験をすることにしました。
実験の内容>>
簡単に言うと、コーヒーの苗の育成場所を2つに分けて育て、成長の違いをみます。
・屋内組(日光が弱い:夜の室温が高い)
・屋外組(日光が強い:夜の室温が低い)
と言う組み合わせです。
詳しく言うと、
2つの小さい鉢は、室内。温室部屋。
日光は、午前中、直射日光が当たるが、午後は明るいだけ。
(東と南に窓がある小部屋なので全体的に明るい。直射で照度20000~60000lx。他は照度2000~8000lxぐらい)
温度は、昼25度ぐらい、夜20度ぐらい。昼、換気用の窓開け。夜、閉める。
1つの大きな鉢(30L)は、外。
日光は、一日、陽が当たるベランダ。(直射は主に午後)照度は50000lx~120000lxぐらい。
温度は、昼は23度ぐらい。夜は15度ぐらい。
で・・・・・・・・・・置いて2週間が過ぎました。
育てた結果を先に言うと、
屋内組が圧倒的に成長しました。外のも成長しましたが、比べるといじけてると言えるぐらい話にならない差ができました。
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屋外苗のテスト結果
(上:購入直後 下:2週間後)
分かりづらいですが、少し成長しています。 |
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屋内苗のテスト結果
(上:購入直後 下:2週間後)
これもちょっと分かりづらいですが
室内の苗の方が大きく成長し
ずっと生き生きしています。
テスト前は30Lの苗の方が立派だったんですよ。 |
外に置いたのも成長しましたが、とても葉が小さく、そのまま次の葉が出てしまいました。葉の色も購入時よりは濃くなりましたが、総じて屋内の苗より薄い色で弱々しい。コーヒーは風に強くないので葉も傷んでる感じ。(コーヒーの苗はひょろひょろで葉が大きいタイプ。)
室内のは、目に見えて青々と濃い緑の大きな葉がどんどん出てきました。既存の葉の色も濃緑に変化。そうそう、これがコーヒーの木の葉の色だよね。艶々。(光を探しての迷走成長などでは絶対無い。)
成長があまりに早いので、小型鉢に2本植えだったのをそれぞれ別の鉢に分けました。
以上の実験から、
この時期だと光量より温度の方がより重要だと実感しました。なのですぐに外の大鉢も室内に入れました。
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屋外苗のテスト結果
(上:購入直後 中:2週間後
下:室内に入れて1週間後)
部屋に入れると、あっという間に
大きくて濃い緑の艶々の葉になりました。
鉢の角度と方向、同じに撮れよって?(笑) |
なぜこんな実験をしたかというと・・・
耐寒性が弱く夏の直射日光に弱い植物の「室内での育成期間」を把握したかったからです。
コーヒーの木は夏の直射日光に弱いです。夏の期間は遮光するか、軒下や室内などの日陰に入れる必要があります。
つまり、私の住環境だと、寒い11月~5月までと、夏の7、8月(もしくは9月まで)は室内に入れるということになります。また、6月は梅雨の時期なので、曇りがちで陽も弱く、病気等の点から雨の当たらない室内かなと。
あら、そうなると外の方がよく育つのは10月だけってことですよね?
つまり・・・「もう一年通して室内で良いじゃんっ!」と言う結論になりました。
外だとまず害虫でしょ、うちは風強い日結構あるし、30L鉢重いので移動大変だし。
コーヒーは観葉植物としても良いので室内で決まり。今年はずっと室内で行ってみようと思います。いろいろ分かることもあるでしょう。
うちの育成環境だと、耐寒性が弱く夏の直射に弱いタイプの植物は、一年中、温室部屋になりそうですね。実はこのタイプの植物、いろいろあるんですよ。その内、チェリモヤとか育てたいと思ってるのでこれに当てはまりそうです。
苗一本じゃテストできなかったんで出来て良かったです。まあ、室内の育成環境で結実まで行けるかは別ですが。。。ご参考まで。
ほんと室内で育てるのは、光と温度が重要になってきますよね。いろいろ試行錯誤しています。照度についても、そのうち書きたいと思っています。
さあ、このコーヒーの木を大切に育てて、いつか自家焙煎コーヒー飲むぞ。
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